ノーベル化学宏業、協力工場と製造最適化を推進 処方幅を広げ提案型開発も強化
少量多品種を主軸としたOEM・ODM事業を展開するノーベル化学宏業(本社・工場=大阪)は、企画営業力の強化と同業他社との協働取り組みを推進して提案型開発を強化する。
原材料費や人件費などコストアップ要因が増えている中、各社工場の生産設備・装置の特性に合わせたフレキシブル生産を推進して効率を上げ、製造最適化を図っていく。
勝見篤嗣社長は「横のつながりがある業界なので、情報交換しながら相互にメリットのある形で進めていきたい」と述べ、協働体制の整備を進める。各社が得意とする開発・生産を行うことで、より質の高い製品を提供することにつながり、高品質・低コストな製品づくりを実現する。
協働することで、新しい製品企画との接点も増えてくるため、処方バリエーションの拡充にもつなげていく。提案の切り口も広がっており、「少し疎遠になっていた企業も含め、既存顧客とのつながりも改めて強化していく」とも勝見社長は話した。
同社は、他の工場で見送られた企画に対しても試作品をつくり、製品化につなげてきた実績がある。勝見社長は「こだわりが強い企画にも対応してきたことで、開発力を高められた一面もある」と述べ、まずは試作してみるスタンスを継承していく考えを示している。
一方、トレンドとして成分自体に訴求力がある製品が求められているため、「キー成分となるような原料開発から一緒に取り組んでいきたい」と話す。
同社が開発・製造を得意とする高機能スキンケアでは、エクソソームや海綿由来の微針状成分などキー成分を用いた製品企画の案件が増えているという。今後は新規性の高い成分の処方開発力と製造ネットワークで迅速に製品化できる特性を持つ企業としてアピールしていく構えだ。
また、インバウンドや内需型レジャー旅行の回復により、ハンドクリームなどお土産需要のある製品の案件も増えており、対応品目を広げていく。
9月には市場調査も兼ねて、大阪市内で開催される「化粧品製造技術マッチングフェア2025」に出展する。幅広い製品の開発・製造に対応できる体制を紹介し、新たな顧客との接点拡大を図っていく。