ノーベル化学宏業
独自の処方開発を強化
若手人材の育成も着々
多品種・小ロット対応工場で化粧品・医薬部外品OEM事業を展開するノーベル化学宏業は、高機能・高付加価値化をテーマにスキンケア処方のバリエーション拡大を図っている。エステ事業者を中心とした既存顧客向けのものから、Webサイトの問い合わせ案件など新規顧客にも対応できる体制を整えていく。
同社はスキンケア、ボディケア、ヘアケアの製品を小ロット生産で手がけている。
主軸のエステ向けスキンケアでは、老舗サロンから個人サロンまで製品実績を持ち、紹介や人伝てで顧客を広げている。
長期化するコロナ禍で、エステ業界は外出制限などの影響を受けて厳しい状況が続いているが、「受注は徐々に回復傾向にある」と勝見篤嗣社長は今年の受注状況について話している。
フェースマスクやマッサージ料などホームケアやスペシャルケア用途の受注も堅調で、マスク着用の常態化によって肌トラブルに悩む生活者の増大や、巣ごもり美容の普及が影響しているようだ。引き続き、「withコロナ」のニーズ対応も進める。
また、エステ向けの中核ビジネスを活かし、EC・D2Cブランドを中心とした新規顧客との取引拡大につなげている。高付加価値化の推進では、独自原料や特許取得原料などを用いてオリジナル製品の提供を行っている。話題のCBD(カンナビジオール)配合製品も既に実績があるという。
米国を中心に海外で注目を集めているCBD配合コスメについて、勝見社長は「CBD自体は色が変性しやすいなどの特徴を持つが、日本でのニーズの高まりは感じる。CBDをはじめ、新規性の高い原料についても、品質や安全性を確保できれば、今後も製造対応していきたい」と話す。
中長期視点では、若手を中心に人材育成・教育に力を注いでいる。営業や製造など各部門で次世代リーダーを育てながら、新しい人材を獲得していく考えだ。
人材育成の面では、「コロナ禍で従業員同士がコミュニケーションを取りづらくなっている」ことに懸念し、今年は感染状況を見ながら、各部署で懇親会を開いたという。今後も様子を見ながら取り入れ、社内コミュニケーションの活性化につなげ、仕事へのモチベーションや生産性の向上につなげていく考えだ。