ノーベル化学宏業
新規案件受注の好循環でプラス成長へ
人手不足の解消に向けた改革にも着手
化粧品・医薬部外品OEMのノーベル化学宏業は、多品種・小ロットに特化した生産設備を活かして、サロン系や通販系を中心に様々なコスメブランドの開発・製造を手掛けている。コロナ下では若手人材の育成強化に向けて改革を進め、ベテランから若手まで多様な人材が活躍できる職場環境の構築に取り組んでいる。勝見篤嗣社長に話を聞いた。
――2022年6月期上期を振り返っていかがですか。
勝見 コロナ禍の影響を受けていたエステ関連の製品受注に回復傾向が見られ、前年同期を上回って推移している。感染状況からまだまだ安心できないが、底打ち感は出てきたように思う。
また、企業HPの問い合わせフォームからの新規案件は、コロナ禍の状況にあっても継続的に見られている。
EC・通販系の案件が中心で、商品化に結び付かないケースも少なくないが、それでも、新たな処方開発の契機になり、当社にとってはプラスの要素になっている。今後も新規案件への対応を通して、製品開発力や提案力の強化にもつなげていきたい。
――コロナ禍で製品開発の傾向に変化は見られますか。
勝見 大きな変化は見られないが、ビタミンC誘導体などキーとなる成分を用いた開発依頼が増えている。もともとエステ関連の案件は、高機能やオリジナリティのある化粧品を求める傾向が強い。製造品目では、機能性美容液やオールインワンゲルなどの引き合いが多い。
訴求成分やオリジナル処方で差別化・付加価値を図りたいといったニーズに応えられるよう、新規性のある処方開発を進めるとともに、大学・研究機関との連携を強化し、独自原料の研究開発やエビデンスの創出を図っていく。
――社内改革の進捗はいかがですか。
勝見 企業の持続的成長に向けて従業員の若返りを進めている。今年に入ってからは、若手社員や次世代リーダーの育成にも取り組み、将来的な技術継承と社風改革につなげていきたいと考えている。