ノーベル化学宏業
新規案件への対応力強化に向け
独自原料などで提案幅を広げる
多品種・小ロットに特化して化粧品・医薬部外品OEM事業を展開するノーベル化学宏業は2021年6月期、従業員のケアを目的に社内制度の見直し・改善を進めた。
勝見篤嗣社長は、「パート・アルバイトを含め、長く続けている従業員に支えられていることを、コロナ禍で改めて感じた」と話す。ベテランの頑張りと表裏一体で高齢化が進んでいることにも触れ、「多様な人材が活躍できる職場環境を構築し若手人材の確保・育成を図っていく」と、今期は人材の増強を主眼とする旨を述べた。
コロナ禍にあった前期は、外出自粛や巣ごもり消費などの影響を受けて、主軸のサロン向けOEM品の生産数量が伸び悩んだが、「21年に入ってから受注は徐々に戻りはじめている」と話す。
同社は、大学・研究機関や原料会社との連携を図りながら、スキンケアを中心とした研究開発を進めている。使用感にこだわった独自開発処方や特許取得原料を用いた処方を増やし、採用実績を伸ばしている。
コロナ前に比べ、ロット数などの要望が強まり、市場の厳しさは残るものの、「HPからの問い合わせはこの状況下で継続的にある。成長市場である通販関連を中心に問い合わせは今年に入ってから増加傾向にある」
新規見込み客への対応にも注力してプラス成長の達成を目指す。
新規案件の多くは、差別化・付加価値を目的としたユニークな特徴を求められ、製品化の難しさもあるが、「要望・要求に応えることで、当社の技術開発力の強化にもつながっている」(勝見社長)。
前期は新たに2つの機能性原料で特許を取得した。オリジナル処方の開発に活かし、顧客への訴求力を高めていく。
中長期戦略に話題を変えると、老朽化対策や生産性向上を目的とした設備投資を進めると勝見社長は述べ、その上で「新製品やリニューアルの発売時期が重なりやすく、繁忙期は従業員に負担がかかっているのが現状。まずは生産管理体制を磨き、年間を通して安定的に生産できる体制を整えていきたい」と語った。