2020.2.24 週刊粧業に掲載

ノーベル化学宏業

ニーズ対応型で高機能化を推進

人手不足を中心に課題との対峙も

 ノーベル化学宏業は、多品種・小ロット特化型の工場設備を活かした化粧品・医薬部外品OEM事業を展開している。同社の勝見副功社長は、インバンド消費減少の影響について「多少はあったものの、主軸のエステサロン向けOEM製品のリピートが安定している」と述べ、2020年6月期業績は増収で推移する見通しだ。

 

 ――順調に業績を伸ばされています。新規の問い合わせや受注状況はいかがですか。

 勝見 化粧品の高機能化ニーズが高まる一方で、広告表現の規制や法律が厳しくなっている影響を受け、効果・効能を標ぼうできる医薬部外品での要望が増えてきた印象を受ける。昨年は育毛・頭皮ケア関連でも薬用タイプの受注が伸びている。

 また、スキンケアでは、シワ改善クリームの市場が成長していることもあり、OEM業界でも薬用化粧品の開発を強化する動きが見られる。当社も薬用タイプではないが、ハリ感など即効性を実感しやすいエイジングケアクリームは好評を得ている。

 

 ――今後の成長戦略についてお聞きします。

 勝見 当社のビジネスモデルは顧客重視型であり、顧客の要望を宿題に、試作を重ねて開発力を高めてきた。今後もそのスタンスは変えるつもりはないが、一方で成長課題も見えてきている。

 キャパシティが限られているので、生産管理を徹底することで収益を伸ばしてきたが、最近は人手不足も影響し生産現場は忙しい状況が続いている。働きやすい環境づくりは急務の課題だと捉えている。老朽化した設備を新しくして生産効率を高めていくとともに、バルク供給による外注活用などの対策も検討しておく必要があるかもしれない。

 一方で、当社のコア領域である中身(処方)の開発では今後も独自性を追求した研究を進める。大学など研究機関との共同開発も、またチャンスがあれば取り組んでいきたい。